院長コラム

2021.02.22

新型コロナワクチンとかかりつけ医

日本でもいよいよ医療従事者へのワクチン接種が始まりました。
ワクチンの効果と副作用が気になるところです。連日テレビでも色々と報道されていますが、本日のニュースでは、良い報告がありました。予防接種が先行しているイスラエルでは、米ファイザー社製のワクチンを2度接種することにより、新型コロナウイルスによる死亡例が98.9%減少したとする調査結果が報告されました。発症率全体については95.8%低下したとのことです。この調査は、2月13日の時点で、その2週間前までに2度目の接種を終えた人々と、ワクチン未接種の人々を比較した結果です。重症化予防にも発症予防にも効果があったということを証明した形です。
また、副作用については、米疾病対策センター(CDC)から、2021年2月20日までに、昨年12月から1カ月の間に新型コロナウイルス感染症ワクチン接種後に起きたアナフィラキシーと呼ばれる重いアレルギー反応の発生率は100万回に4.5件で、他のワクチンと比べて同程度だったとの報告がありました。アナフィラキシーの頻度は、インフルエンザワクチン(1・4件)や帯状疱疹ワクチン(9・6件)と同程度でしたが、今までは100万回に11.1回との報告だったので、長い目で見ると従来のワクチンとあまり変わらないということなのでしょうか。
この結果に加えて、先行接種した医療従事者の結果がそのうちに報告されると思うので、それらを併せて皆さんが接種を受けるかどうかを最終的に判断することになります。
テレビなどでは、その際にかかりつけ医に相談するようにと説明していますが、そもそもかかりつけ医とはなんでしょうか?【かかりつけ医】について日本医師会が説明していますので紹介します。
かかりつけ医とは、「なんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介でき、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師」(定義)となっており、普段から内服薬を処方されたり、検査を受けている、などの表現が一切ありません。この定義では、初めて診る患者さんでも「うちのかかりつけ」ということになるため違和感を覚えます。これは私からすると「地域のかかりつけ医」というイメージです。やはり、普段から通院されていて、持病や、いつもの状態を把握できているからこそ「かかりつけ医」としてアドバイスができるのだと思います。
ワクチンの話に戻りますが、そのうち自分も接種を受けることになるかと思いますので、その際はまたご報告したいと思います。