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2018.09.27

イグ・ノーベル賞と大腸内視鏡検査

現在、特定健診や各種ガン検診が行われています。精密検査を受けるような指導を受けている方も多いかと思います。早期発見早期治療のためには検診は非常に重要です。

国立がん研究センターが2014年に新たにガンと診断された患者数を14日発表し、患者数は前年から約5000人増え、過去最多の86万7408人だった。部位別では大腸が胃を上回って2年ぶりに最多となりました。

男性 女性
1位 乳房 大腸(13万4000人)
2位 大腸 胃(12万6000人)
3位 大腸 肺(11万2000人)
4位 前立腺  乳房(7万6000人)
5位 肝臓 子宮 前立腺(7万3000人)

胃がんが減っているのはやはりピロリ菌の影響があると思います。衛生状態が良くなりピロリ菌に感染する機会が減ったこと、そしてピロリ菌感染者に対する除菌の効果だと思われます。

大腸がんが増えたことは、かねてから生活習慣の欧米化による影響が言われていますが、アメリカでは大腸がん患者が減っているのに対し日本で増えているということを考えると他にも理由があるようにも思います。ただ、患者数は増えているものの早期大腸がん患者の治療効果は高く、早期がんであれば5年生存率は90%を超えています。ということは大腸内視鏡による早期発見が進んできたために患者数は増えているもののしっかり治療ができているといえるかもしれません。実際当院でも大腸内視鏡で発見し、その場で切除し治療が終了という早期大腸がんの方もいらっしゃいます。

大腸内視鏡検査といえば日本人医師がイグ・ノーベル賞を受賞しましたが、その受賞理由が座ったままで大腸に内視鏡を挿入して検査するという新しい方法を発見し、自らにその方法を試したというものでした。今までの方法と異なり座って行うというのも驚きましたが、自ら検査するということにさらに驚きました。私は自分では自分の大腸の検査行うことはやったこともないし考えたこともありませんでした。この賞を受賞したことでこの先生が在籍する長野の病院では検査を希望する患者さんが殺到しているそうです。

現在ではこの先生が行っている方法は少量の鎮静剤を使うというごく普通の方法です。この先生の趣旨も苦痛なく検査を行い、可及的にポリープを切除しがんを予防するというもので、これは私も同感です。ポリープ切除を行う方法もcold snare polypectomyという方法で電気を通電せずにポリープを切除するというもので、切除に伴う合併症を減らす目的で用いるものですが、これも当院で用いているものと同様です。いずれにしても、今回のイグ・ノーベル賞がきっかけで一人でも多くの方が大腸内視鏡検査を受けてみようと思っていただき、近隣の医療機関を受診していただければ幸いです。