院長コラム

2022.09.28

2022年のインフルエンザ

インフルエンザワクチンの接種が当院でも10月11日(助成のある方は20日)から始まります。コロナ禍の中で、毎回「今年は流行る」と言われてきましたが、感染対策の徹底のおかげか、インフルエンザは流行しませんでした。コロナが流行している時は他のウイルスは流行しない、という、‘ウイルス干渉’とも言われてきました。しかしながら、行動制限が緩和された今冬は、新型コロナウイルス感染症との同時流行“ツインデミック”も心配されています。
国立感染症研究所によると、例年のインフルエンザの患者数は推計1000万人前後でしたが、新型コロナ流行後の2020~21年シーズンは1万4000人、21~22年は3000人と例年の0.03%まで激減しています。当院でも一例も出ませんでした。しかし、2年続けて流行がなかったため、子どもを中心に十分な免疫を持たない人が増えたこと、行動制限や水際対策の緩和で人と人の接触が増えたことから、今年こそは流行するのではと懸念されています。
実際、2022年に関しては、日本より先に冬を迎えた南半球のオーストラリアではインフルエンザと新型コロナの同時流行が起こっており、2種類のウイルスは同時には流行しないという”ウイルス干渉”という仮説が崩れています。しかも、例年よりも2~3ヵ月早くインフルエンザの流行が起こっており、9月中旬までに約22万人のインフルエンザ感染が報告され、昨年の598人から激増しました。日本でもしこのような事態になるとすれば、従来より早期の年末くらいから流行が始まるかもしれません。

日本での同時流行に備え、厚生労働省は
1.インフルエンザワクチンの増産
2.新型コロナワクチンとの同時接種容認
の対策を打ち出しました。
1.に関しては一昨年、昨年と供給制限があったため、今年は厚労省がメーカーに働きかけ十分な供給体制をこ整えたとのことです。確かに当院でも今年は早くからある程度の在庫が確保できる見通しです。
2.の特に接種間隔に関しては、他のワクチンは新型コロナワクチン接種から原則13日以上空けて打つ必要がありますが、インフルエンザワクチンについては、接種間隔に関して規定は設けず、同時に接種することも容認しました。どちらのワクチンを先に打ってもよいですし、同日に両方の腕に一本ずつ打ってもいいということになっていますが、副反応が長く出る可能性のある新型コロナワクチンを利き腕じゃない方に打つ方が無難かもしれません。
いずれにしても、高齢者などリスクのある方は、2種類とも接種することをお勧めします。当院での接種を希望される方は、電話で予約するか、受付でスタッフに申し出てください。
予約開始    10月3日(月)
接種開始  
 全額自費の方 10月11日(火)
 助成のある方 10月20日(木)