院長コラム

2019.07.09

新しい高血圧の分類 詳細はこちら>>

現在、令和初の特定健診 が行われていますが、対象の方はもう健診は受けられたでしょうか?

特定健診の目的は生活習慣病の早期発見・早期介入です。ひいては、生活習慣の改善による発症の予防や早期治療を行うことで脳心血管病を未然に防ぐことが目的です。生活習慣病の中で最も患者数が多いのが高血圧、そして脂質異常症、糖尿病と続きます。日本では高血圧患者は4300万人いると言われているため3人に1人が高血圧ということになります。そして、最近話題になったのは高血圧の分類が変わったことです。130mmHg以上は高血圧などと言われていますが、正確には“高血圧”と診断されるのは140mmHg以上という基準値は変わっていません。ただし「正常血圧」は120mmHg未満であり、130〜139mmHgは「高値血圧」と呼ばれるようになったことが新しい変化です。「高値血圧」の方はすぐに降圧剤を開始するわけではありません。脳心血管病のリスクが高い方は治療を開始しますが、リスクがなければ生活習慣の改善で降圧を目指すことになります。この新しいカテゴリーを増設したのは、130mmHgを超えれば、もはや正常とは言えない血圧であるということを自覚し、多くの人に生活習慣改善に取り組んでもらうのが狙いです。

脳心血管病高リスク患者の基準

・脳心血管病既往
・非弁膜症性心房細動
・糖尿病
・蛋白尿のある慢性腎臓病(CKD)
・「65歳以上・男性・脂質異常症・喫煙」のうち3項目以上に該当

さらに変わったのは治療目標ですが、こちらは一段階厳しくなりました。

ある研究から、厳格に血圧をコントロールしたグループで心血管および脳卒中イベントリスクが有意に低かったことが示されたため、降圧目標を130/80mmHgとするメリットが明らかになりました。75歳以上の高齢者の降圧目標は140/90mmHg未満とし、JSH2014での目標150/90mmHgよりも強化。さらに、併存疾患などによって降圧目標が130/80mmHg未満とされる条件に合致した場合、高齢者でも可能であれば130/80mmHg未満への降圧を目指すことになります。これらの血圧は診察室血圧のため、家庭で測る血圧だと、さらに5mmHg低くなることに注意してください。

自分は大丈夫と思っていても、いつの間にか高血圧になっているという方が大勢いらっしゃいます。ぜひ令和初の健診を受けて、生活習慣を見直すきっかけにしましょう。

2019.05.31

花粉症と舌下免疫療法 詳細はこちら>>

今年から校医になったので、先日学校健診に行ってきました。その際、アレルギーを持っている子が多いなと感じました。
特に花粉症の罹患率が高いという印象でした。かく言う私もスギ花粉症で困っている一人です。花粉症を引き起こす原因には、樹木ではスギやヒノキの他にシラカンバ、ハンノキ、ケヤキ、コナラ、ブナなどがあります。
草本ではカモガヤ・オオアワガエリなどのイネ科の花粉症が多くなってきていますが、ブタクサ、ヨモギなどキク科の植物も原因になります。日本の花粉症の原因の70%はスギが原因です。
今は、このスギ・ヒノキの花粉の飛散がようやく終わり、やっと鼻水・鼻づまりなどのアレルギー症状が落ち着いてきたころだと思います。今年は昨年に比べスギ花粉の飛散量が多かったため、症状がきつかったという方も多いと思います。
そんな中、当院で昨年から始めた”舌下免疫療法”を受けた方は「今年は楽だった」という声が多かったことに驚きました。
1年目から効果が期待できるとは思っていましたが、やはり2-3年はかかるだろうと思っていましたから。毎日続けるということが結構面倒ではありますが、効果が実感できるなら継続にも励みになると思います。舌下免疫療法を新たに始めるにはスギ花粉の飛散していない時期が適しています。一般的には6-12月ですが、治療を始めるなら次の飛散開始まで一番時間のある6月が最適です。さらに、先日スギ花粉用の錠剤の処方制限がはずれたため、今までは2週間毎の来院が必要だったのが今期からは4週間毎でよくなりました。今年花粉症で苦しんだ方、特に数種類の薬剤が必要な方にはこの治療法も検討する価値があると思います。また、昨年から年齢制限も緩和されたため、当院では小学生でも治療を行うことが可能です。ぜひ、ご相談ください。

ちなみに、最近になってまた鼻がグスグスしてきた方は、風邪ではなく、イネ科の花粉症かもしれません。昨年もこの時期鼻が出たな~という方はご注意ください。心配な方は当院でアレルギー検査も可能です。
2019.03.25

食中毒の原因第1位は、なんと「アニサキス」でした。>>

厚労省によると2018年の食中毒の原因の第1位は、なんと「アニサキス」でした。

ここ最近ニュースでも目にすることが多くなったアニサキスですが、ここ数年食中毒の報告が増加傾向で、2018年は468件(患者数478人)で、前年の230件(同242人)から約2倍に増えたとのことです。今まではニワトリなどの生肉にいる細菌カンピロバクターが原因の第1位でした。そして、これまでサバやイカ、サンマを食べたことによる感染が多かったのですが、18年はカツオによる件数が前年比10倍の100件(同103人)に増えていました。今までは腹痛を訴える人にイカやサバを食べたかを聞くことが多かったのですが今後はカツオも確認しないといけませんね。当クリニックがある埼玉県は海がありませんが、それでも毎年数例ののアニサキスを経験します。患者さんの話とエコー検査から胃アニサキス症を疑い胃カメラを行うと胃の中にアニサキスを発見、そのまま器具でつまんで除去します。予防策としてはとにかく生きているアニサキスを食べないことに尽きます。誰も好きで食べるわけではありませんが、処理を誤ると美味しい刺身を食べた後に痛い思いをすることになります。特に誤解されていることが多いのは酢で〆るとアニサキスは死ぬというものです。これは誤りで、しめ鯖でも感染します。
実際、当院でも最近、しめ鯖を食べて感染したアニサキス症を経験しています。アニサキスは幼虫(体長2~3センチ)は魚介類の内臓に寄生しており、鮮度が落ちると筋肉に移動しやすくなり、その身を生で食べると、数時間後から激しい腹痛や嘔吐(おうと)などの症状が出ることになります。なので、理論的には超新鮮な状態で内臓を処理した刺身でない限り、刺身を食べれば感染する可能性はあるということです。良く噛めば防げるかもしれませんが・・・
アニサキス症を予防する方法として厚労省は以下のものを挙げています。

• アニサキスは加熱又は凍結により死滅するので、中心部まで十分加熱するか、中心部まで完全に(マイナス20℃で24時間以上)凍結すること。
• 内臓の生食をしないこと。
• 魚介類を生食する際には、より新鮮なものを選び、早期に内臓を除去し、低温(4℃以下)で保存すること。
• 魚を生食用に調理する際にはアニサキスを意識して、魚をよく見て調理すること。特に、内臓に近い筋肉部分(ハラス)を調理する際は注意すること。
• アニサキスは、傷を受けると胃や腸壁への侵入性が著しく低下するので、なめろう等を調理する際は細かく刻むこと。

それでも痛くなり、思い当たることがあるときには消化器科を受診してください。

2019.02.12

今シーズンは埼玉県がワースト1位 詳細はこちら>>

今年はインフルエンザが猛威を振るい、統計でもピーク時は過去最多の患者数となりました。

都道府県別の集計では、ここ埼玉県が残念ながらワースト1位で、新潟県、千葉県の順でした。

今年のインフルエンザウイルスの検出状況をみると、AH1(50%)、AH3(49%)、B型(1%)と圧倒的にA型が多い傾向です。ということはようやくピークを過ぎたとはいえ、まだB型の流行を控えているということになります。A型とB型が同時に流行した昨シーズンとは異なり、例年通りB型は2月以降主流になってくると思われますので、A型にかかった方も気を緩めず、手洗い、うがい、マスクなど予防を怠りなくお願いいたします。ある報道では今シーズンはAH1とAH3が同時に出ているからA型に2回かかると言っていましたが、昨シーズンでもAH1が24%、AH3が30%、B型が46%と検出されていることから、昨シーズンもA型に関しては同じ傾向だったように思えますが…。

 

なんにせよ、ウイルスに対してはやはりワクチンが有効ですので、今シーズンにインフルエンザにかかって苦しい思いをした方は是非来シーズンは予防接種を受けることをお勧めします。もちろん、ワクチンを打っても残念ながらインフルエンザにかかった方もいらっしゃいますが、罹患する率を下げるだけでなく重症化を防ぐ効果もあると言われていますので、接種を受ける意義はあると思います。

 

今シーズンも昨シーズンに続きワクチンの流通の問題で受けたくても受けられなかった方もいらっしゃいますので、皆様の健康のためにも関係機関の方には更なる改善をお願いいたします。

2019.02.06

花粉症2019

今年も花粉症の季節が始まります。

私も花粉症なので、毎年皆さんの診療にあたりながら一緒に苦しんでます。いつも若干の頭重感や倦怠感、喉のイガイガ感、微熱から始まるので、「これは風邪か?」と思ったりしますが、やはりいつもの花粉症と判明しうんざりします。
今年のスギ花粉の飛散開始は、関東では例年より5日ほど遅くなる見込みで、2月中旬から花粉シーズンがスタートすることになりそうです。

 

今年のスギ花粉の東京のピークは3月上旬から4月上旬となり、多く飛ぶ期間が長いとのことです。また、それに続いて、ヒノキ花粉が飛び始め、その後ピークが始まります。東京では4月上旬から中旬になりそうです。

2019年春の花粉飛散量は、前シーズンと比べると、関東は少ない見込みですが、前シーズンの花粉の飛散量は、全国的に例年よりも多かったため、今年は例年並みと言うことになります。

また、前シーズンの特徴として、ヒノキ花粉の飛散量が多く、東京ではヒノキ花粉が過去10年で最も多く飛散するシーズンとなりました。今シーズンのヒノキの花芽の生育が前シーズンほどではないことが分かったため、今年のヒノキ花粉の飛散量は前シーズンより少ないということです。

スギ花粉は、飛散開始と認められる前から、わずかな量が飛び始めます。症状が出始める前から花粉対策を始めるとよい方もいらっしゃいます。
花粉症対策としてはメガネやマスクがありますが何と言っても薬物療法です。くしゃみ・鼻水型の方には抗ヒスタミン剤が有効ですが、欠点としては眠気です。最近は運転しても問題ないとされる眠気の弱い薬もありますので、効果と副作用のバランスだと思います。また、面白いところでは貼り薬のタイプの抗ヒスタミン剤もあります。湿布で有名なメーカーが出しているのですが、成分としては目新しいものではありません。ただ、内服が多くて薬を増やしたくない人や飲み込みが悪く誤嚥の心配がある人にはいいかもしれません。内服を忘れやすい人にも外からも確認できる点は良いかも。今までの内服薬では効果が低かった人も少し系統が違うので試してみても良いかもしれません。食事の影響も受けないし、倍量も使えます。ただ、眠気はありそうですが...

花粉症に苦しんだ方は、花粉症の季節が終われば、舌下免疫療法を始める手もありますので、ご希望の方は当院に御相談ください。

2019.01.21

今年のインフルエンザ治療薬

インフルエンザの流行が本格的になってきましたが、皆様の体調はいかがでしょうか?

 

今年も予防接種のワクチンの流通が滞ったため、接種できずにインフルエンザにかかってしまった方もいるかと思います。
悪寒・全身関節痛を伴う発熱が見られた場合はインフルエンザが疑われるので医療機関を受診してください。ただ、インフルエンザを検査で確定するためにはある程度時間がかかるため、夜間に緊急で受診するかは一考してください。夜間の気温の低い時間に外出してさらに体調が悪くなるかもしれませんから。翌朝に受診しても十分に抗インフルエンザ薬の内服に間に合います。抗インフルエンザ薬について、インフルエンザウイルスを減らすと思っている方も多いかもしれませんが、それは誤解です。あくまでもウイルスの増殖を防ぐというものです。もちろん、抗インフルエンザ薬を内服しなくても自然に治癒します。それでも抗インフルエンザ薬を内服することで高熱で苦しむ時間を減らすことは可能です。
特に今年は、1回内服するだけでよい薬の評判が良いようです。去年から発売された薬ですが、今年はマスコミでも大々的に取り上げられていますね。今までは1日2回、5日間内服が必要な薬や1日で済むけれども4回吸入する薬でしたから、それらの良いとこどりの薬みたいなものです。今までの1.5倍くらいの金額にはなりますが、皆さんが希望されるため不足気味になっています。そのため残念ながら処方できない医療機関もあるかもしれませんがほかの薬でも同じ程度の効果がありますからご安心ください。

それでも、かからないのが一番ですから、外出の際はマスクをつけたり、帰宅時には手洗いうがいを忘れずに。

2019.01.07

皆さま、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。>>

皆様のおかげで、当院は昨年12月に無事開業3周年を迎えることが出来ました。今後も皆様の健康に貢献するためにスタッフ一同頑張ります。
当院では内視鏡検査に力を入れておりますが、特に胃の内視鏡(俗にいう胃カメラ)は鼻から入れる経鼻内視鏡を行うことで皆様に苦痛を少なく受けてもらえるようにしています。

当院の経鼻内視鏡についてはこちら>>

胃カメラをやっていて思うことは以前に比べて胃潰瘍や胃がんを目にする機会が減っているということです。実際、統計データでもそのことは証明されており、平成26年には平成8年のピーク時の3分の1以下になっています。胃がんについても平成28年には平成8年のピーク時の2分の1程度になっています。この理由として最も考えられるのはピロリ菌の除菌だと思います。胃カメラが普及したことでピロリ菌による慢性胃炎の診断、そして除菌療法が保険適応になったことで除菌が進んだ結果だと思われます。現在は除菌の成功率も改善しており、除菌することで胃潰瘍・十二指腸潰瘍の再発はほぼなくなり、胃がんの発症は3分の1になるといわれています。現在の20歳以下のピロリ菌の感染率は1割以下と言われていますので将来的には日本人は国民病と言われたこれらの胃の病気から卒業できるかもしれません。
しかし逆に増加傾向の逆流性食道炎や機能性ディスペプシア、時折遭遇する胃アニサキス症などまだまだ胃カメラの出番はありそうです。
除菌した方も除菌後胃がんという問題もありますので、やはり定期的に胃カメラを受けることをお勧めします。
本年も皆様にとって健康で素晴らしい1年になることをお祈りいたします。

2018.11.16

最近の風疹の流行

風疹(ふうしん)が今年8月ごろから首都圏を中心に急増しています。国立感染症研究所の調べによると、2018年の風疹患者数は、すでに2014~2017年の年間平均の約10.8倍にあたる1884人(2018年11月7日現在)となっており、今後ますます感染が拡大する可能性もあります。

風疹とは、発熱や発疹、リンパ節の腫れなどが主な症状で「はしか」と呼ばれる麻疹とは似ていますが、症状自体は麻疹よりも軽いため「三日ばしか」ともいわれています。好発年齢は5~14歳で、もともと子供の病気なのですが現在の感染者の半分以上は、「30~50代の男性」です。これはこの疾患の唯一の予防方法である予防接種と関係があります。

風疹ワクチンは生涯で2回のワクチン接種が必要です。(風疹ワクチンを1回接種した人に免疫ができる割合は約95%、2回接種した人に免疫ができる割合は約99%と考えられています)。上記の表のように風しんワクチンは年代および性別によって接種回数が異なるため、特に30-50代(特に男性)は接種回数が不足している可能性が高いです。こうした理由により、風疹はワクチンで予防可能な感染症であるにもかかわらず、いまだ感染者があとを絶ちません。

風疹が問題になるのは「先天性風疹症候群」があるからです。妊娠20週頃までの妊婦が風疹にかかった場合、出生児が感音性難聴、先天性白内障または緑内障、先天性心疾患(動脈管開存症、肺動脈狭窄、心室中隔欠損、心房中隔欠損など)などの障害を持って生まれてくることを指し、発症する確立は妊娠1ヶ月で風疹にかかった場合50%以上、妊娠2ヶ月の場合は35%などとされています。

ワクチンを接種していない30~50代の男性をはじめとした風疹患者が感染源となり、妊婦や胎児に風疹が感染してしまう危険性が高いことから、2018年10月23日、ついにアメリカCDCは風疹免疫を持たない妊婦の日本への渡航自粛を発表しました。

妊娠中の女性は予防接種が受けられないため、特に流行地域においては、抗体を持たない又は抗体価の低い妊婦は、風疹が発生している地域では、可能な限り不要不急の外出を避けていただき、やむを得ず外出をする際には可能な限り人混みを避けていただくなど、風疹にかからないように注意してください。また、妊婦の周りにいる人(妊婦の夫、子ども、その他の同居家族等)は、風疹に感染しないように予防に努めて下さい。

風疹は一度かかると、多くの場合、生涯かかることはないと言われています。しかし、子どもの頃に感染した記憶があっても「はしか」や「リンゴ病」などを風疹だと勘違いしていたということも少なくありません。抗体のつきにくい方もいるので一度罹患したからと言って、免疫があるとは限りません。たとえあなたがこれまで予防接種をうけていたとしても、または風疹にかかっていたとしても、再度予防接種をうけることによる特別な副反応がおこることはありません。そのため感染予防の観点から、今回あらためて予防接種を行うことは全く問題ありません。しかしながら現在風疹ワクチンの流通量が減っていますので、妊娠の可能性がある女性やそのパートナーの男性はまずは抗体価を測定することをお勧めします。妊娠を希望される女性やその配偶者、低抗体価の妊婦の配偶者は、県やさいたま市、川越市、越谷市及び川口市が実施する「風しん抗体検査」を受けることで、ご自身に風疹の発症や重症化を予防できる免疫があるか確認することができます。

当院でも実施しておりますのでご相談ください。

2018.10.22

ホームページをリニューアルしました。

2018.09.27

イグ・ノーベル賞と大腸内視鏡検査

現在、特定健診や各種ガン検診が行われています。精密検査を受けるような指導を受けている方も多いかと思います。早期発見早期治療のためには検診は非常に重要です。

国立がん研究センターが2014年に新たにガンと診断された患者数を14日発表し、患者数は前年から約5000人増え、過去最多の86万7408人だった。部位別では大腸が胃を上回って2年ぶりに最多となりました。

男性 女性
1位 乳房 大腸(13万4000人)
2位 大腸 胃(12万6000人)
3位 大腸 肺(11万2000人)
4位 前立腺  乳房(7万6000人)
5位 肝臓 子宮 前立腺(7万3000人)

胃がんが減っているのはやはりピロリ菌の影響があると思います。衛生状態が良くなりピロリ菌に感染する機会が減ったこと、そしてピロリ菌感染者に対する除菌の効果だと思われます。

大腸がんが増えたことは、かねてから生活習慣の欧米化による影響が言われていますが、アメリカでは大腸がん患者が減っているのに対し日本で増えているということを考えると他にも理由があるようにも思います。ただ、患者数は増えているものの早期大腸がん患者の治療効果は高く、早期がんであれば5年生存率は90%を超えています。ということは大腸内視鏡による早期発見が進んできたために患者数は増えているもののしっかり治療ができているといえるかもしれません。実際当院でも大腸内視鏡で発見し、その場で切除し治療が終了という早期大腸がんの方もいらっしゃいます。

大腸内視鏡検査といえば日本人医師がイグ・ノーベル賞を受賞しましたが、その受賞理由が座ったままで大腸に内視鏡を挿入して検査するという新しい方法を発見し、自らにその方法を試したというものでした。今までの方法と異なり座って行うというのも驚きましたが、自ら検査するということにさらに驚きました。私は自分では自分の大腸の検査行うことはやったこともないし考えたこともありませんでした。この賞を受賞したことでこの先生が在籍する長野の病院では検査を希望する患者さんが殺到しているそうです。

現在ではこの先生が行っている方法は少量の鎮静剤を使うというごく普通の方法です。この先生の趣旨も苦痛なく検査を行い、可及的にポリープを切除しがんを予防するというもので、これは私も同感です。ポリープ切除を行う方法もcold snare polypectomyという方法で電気を通電せずにポリープを切除するというもので、切除に伴う合併症を減らす目的で用いるものですが、これも当院で用いているものと同様です。いずれにしても、今回のイグ・ノーベル賞がきっかけで一人でも多くの方が大腸内視鏡検査を受けてみようと思っていただき、近隣の医療機関を受診していただければ幸いです。

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