院長コラム

2016.09.04

便潜血について

現在では大腸がん検診として最も利用されているのが便潜血検査です。「精密検査が必要です」という結果を見て驚いたり心配する方も多いと思います。目で見ても分かるような血液が混じっていたらご本人も気づくことが多いでしょうから、ほとんどの方は「何の症状もないのに?」とか「たぶん痔のせいだろう」と思われることと思います。そのため、その結果をほうっておいて精密検査を受けない方もいらっしゃいます。実際、潜血陽性でも6割くらいの方しか医療機関を受診しないという報告もあります。しかしながら、それでは検診を受けた意味がありません。私はこれを機に絶対に大腸内視鏡検査を受けたほうが良いと思います。1つには、便潜血陽性の方の約5%に大腸がんの方が存在するということです。早期発見すれば場合により内視鏡で治療することも可能です。もう1つは、大腸ポリープの存在です。30-50%の方は大腸ポリープを持っているといわれ、その中には将来的に大腸がんになる可能性のあるポリープもあります。そのためアメリカでも積極的に大腸ポリープ切除を行っています。

当院では切除可能な大腸ポリープを発見した際には同時に切除し、入院の必要もありません。初めてで検査に対する不安の強い方、以前内視鏡検査でつらい思いをされた方には鎮静剤を用いた検査も行っております。ぜひご相談ください。また、痔からの出血とお考えの方には、痔の診断や治療方法に関しての相談も受けております。大腸に何か病気があるかもと悩むよりは、検査を受けることが皆様にとってもっとも良い結果につながると思います。不安な方はぜひ一度ご相談ください。