院長コラム

2020.07.09

新型コロナウイルス感染症と特定健診

新型コロナウイルス感染症の拡大により、生活習慣病の患者さんの多くが外出を自粛したことに伴い、医療機関への通院を控えたと報道されました。「血糖トレンド委員会」は、生活習慣病患者に新型コロナウイルス感染症がどのような影響を与えたのかを分析するため調査を実施し、今回その結果を発表しました。具体的な項目として

Q.「COVID-19の流行が始まってから、普段の通院回数に変化はありましたか」
A.「変わらない」(78.6%)
 「減った/通院していない」(20.4%)
 「増えた」(1.0%)
また、「減った/通院しなかった理由」として
「新型コロナ感染予防のため」(77.8%)
「自主的に外出自粛をしていたため」(30.2%)
の順で多かった。
Q.「緊急事態宣言が解除されてからの通院状況について」
A.「不安はなく、通院を再開した」(33.7%)
 「不安はあったが、通院を再開した」(30.4%)
の順で多かった、などです。

まとめると
”定期的な通院を必要とする生活習慣病患者の20.4%がコロナ感染予防を理由に通院を自粛し、患者の44.9%は今後の通院もいまだに不安に感じている”
ということでした。今回の自粛で通院控えをした方は当然内服も不規則になっているため、血糖値や血圧のコントロールが悪くなっていることが容易に想像できます。受診間隔が伸びたことでモチベーションが下がったり、採血の間隔も伸びて管理が緩くなったこともあるかと思われます。また、”自粛太り”という言葉もあるように外出機会が減ったことで自然と運動量が減ったり、間食が増えたことで体重が増えた方もいらっしゃると思います。生活習慣病は新型コロナ感染症の感染リスクであり、生活習慣病の管理が悪くなると、免疫力が落ちることにもつながります。生活習慣病をお持ちの方、もしくは予備軍の方は、感染予防のためにも改めて現状を再評価する必要があるかと思います。そのいい機会になるかと思われる特定健康診査・後期高齢者健康診査(いわゆる特定健診)が始まります。今まであまり受けてこなかった方も、毎年受けている方も、今年はぜひ受けてください

 

特定健康診査(40−74歳)、並びに後期高齢者健康診査(75歳以上) のお知らせ

例年は6月から実施されていましたが、今年度は新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、8月1日からに変更になりました。対象者の方には市から受診券及び案内が届きます
自己負担金 無料
実施期間  8月1日(土)〜12月28日(月)
実施機関  白岡市、久喜市、蓮田市、宮代町の指定医療機関
当院での健診をご希望の方は、受付に申し出るか、お電話でのご予約をお願いいたします。