院長コラム

2021.02.01

新型コロナと花粉症対策

今年も、いよいよ花粉症シーズンに突入します。昨年12月9日に発表された『2021年春の花粉飛散予測(第2報)』によると、スギ花粉の飛び始めは全国的に例年並み、早い所では2月上旬から飛散するとのことです。また、今年の飛散量は広範囲で例年より少ないものの、前シーズンに比して多くなり、所々で非常に多くなることが予想されています。これは、昨年の飛散量が例年の5分の1だったことが影響しています。そのため、軽症の人は去年は症状が出なかったかもしれませんが今年は注意が必要です。そして今年はコロナ禍という特殊な状況が問題を複雑にしています。というのは、新型コロナウイルス対策として“換気”が必要なのに対し、花粉症対策は“密閉”がそれぞれの基本姿勢という、相反する状況があるからです。やはり換気はせざるを得ないため、花粉症の方がどれだけ対策をするかが重要となります。そこで、最も気をつけなければならないのが「くしゃみ」です。COVID-19の無症状感染者は「くしゃみ」や咳などの症状がないため、本来であれば症状がある人に比べウイルスを拡散するリスクが低いのですが、花粉症を持っているとその症状として「くしゃみ」が出ることでウイルスを拡散するリスクが高まってしまいます。製薬会社が行った意識調査では
■新型コロナウイルス感染症流行後、人の「くしゃみ」が気になる度合が増した人が80.3%
■「くしゃみ」をする人がマスクをしていても「変わらず気になる」という人が8.7%、「少し安心するけどやはり気になる」という人が62.3%
■新型コロナウイルス感染症の流行後、自身が「くしゃみ」をした際に周囲の目が気になる度合が増した人は88.4%。家庭内では「特に気にならない」が40.3%
■花粉症による「くしゃみ」が人に感染させるリスクになると思う人が83.8%
■花粉症の治療に前年より力を入れたいと思っている人は23.9%
という結果でした。つまり、自分も他人も感染リスクとしての「くしゃみ」を気にしており、マスクだけでは対策としては不十分で、今までよりしっかり治療したほうが良いと自覚している人が増えたということです。治療しないで、くしゃみや鼻水、涙目、目のかゆみなどの症状を放置していると、新型コロナウイルスを他の人にうつしたり、自分がかかる可能性も高くなりますので、花粉症の症状を抑えることはCOVID-19対策にもなります。ぜひ医療機関を受診してください。各医療機関は感染対策を十分に行なっておりますので、受診控えはしなくて結構です。
当院でも症状に合わせて内服薬や点眼薬、点鼻薬を処方いたします。また、根本的に治療したい方は舌下免疫療法も行なっておりますのでご相談ください。