院長コラム

2021.04.30

「新型コロナワクチン( 1回目)」接種しました

2月17日から先行接種対象者に接種開始となったファイザー社の新型コロナワクチンですが、当院スタッフにもついに接種できることとなり、近くの総合病院で1回目の接種を受けました。今までわかっている情報から、副反応に関しては承知していましたが、やはり、その通りでした。注射直後は痛みを感じませんでしたが、その夜から接種部に痛みが出現しました。赤くなったり腫れたりはしませんでしたが、約2日間痛みはありましたが、その後は完治しました。頭痛や発熱は自覚しませんでした。他のスタッフにも確認しましたが、当院での副反応の発生率は70%でした。接種部の痛みのみで発熱や倦怠感などは出ませんでした。
全国ではどうかというと、約18000人の医療従事者に行ったワクチン接種の結果、
主な症状と発症率は以下のとおりでした(1回目/2回目)。
発熱(37.5℃以上):3.3%/35.6%
発熱(38℃以上):0.9%/19.1%
接種部位反応:92.9%/93.0%
発赤:13.9%/16.0%
疼痛:92.3%/91.9%
腫脹:12.5%/16.9%
硬結:10.6%/9.9%
熱感:12.8%/16.6%
かゆみ:7.9%/10.4%
倦怠感:23.2%/67.3%
頭痛:21.2%/49.0%
接種部位の疼痛については1回目、2回目ともに接種翌日時点で約90%の接種者が記録しており、これは2009年のインフルエンザワクチン 2万人調査での疼痛出現の割合(43.8%)と比較しても、頻度が明らかに高いことが示されています。そして、ほとんどの副反応が1回目より2回目に出やすくなっています。これはアメリカでのファイザー社のワクチンを接種していた症例での有害事象が、1回目より2回目投与後のほうが多く、発熱と悪寒の割合は2回目の投与後のほうが1回目よりも4倍以上高かった、という報告に一致していると言えます。懸念されてたアナフィラキシーの報告は 3/21時点で135件で、割合は100万回当たり81件で、全て回復したとのことです。
3週間後に2回目を接種するため、今度は熱が出るかもとも思いますが、全身の反応が出るのはワクチンにきちんと免疫系が反応しているとも言われていますしある程度は仕方がないことなのだと思います。当院も予防接種のサテライト施設となっているため、皆さんに接種する前に接種を終わらせ、万全の体制で臨みたいと思います。ワクチンを心待ちにしている方、不安で迷っている方、いろんな考え方があるかと思いますが、また感染者が増えてきている中、普段から十分に感染対策をしている方は、これ以上何をすればいいのかと思っていらっしゃるかと思います。イスラエルでの感染抑制の報告もあり、他に効果的な方法がないことからも、やはりワクチンは有効と思われます。
一部報道では医療機関が協力しないから接種が進まないとの報道がありますが、少なくともこの地域では単純にワクチンが足りないからです。それでも少しずつ準備が進んできていますので、感染予防対策をしながら接種の順番を待っていてください。私達もできる限り協力したいと考えています。