院長コラム

2018.04.06

今さら新しい抗インフルエンザ薬

今年は多くの方がインフルエンザにかかったことと思います。シーズン最初にはワクチン不足から始まり、例年になく早期からB型が流行し“隠れインフルエンザ”という言葉もテレビで見られるようになりました。インフルエンザ薬の治療を受けた方も多いかと思いますが、タミフル、リレンザ、イナビルのいずれかを処方されたかと思います。それぞれに一長一短がありますが、まとめるとこんな感じです。

血圧測定(診察室血圧)
投与方法 回数 長所 短所
タミフル 内服 1日2回
5日間
確実に投与できる
肺炎にも投与可能
異常行動の恐れあり、
10代には使えない
リレンザ 吸入 1日2回
5日間
5歳以上から吸入可能
イナビルより効果高い?
うまく吸入できなければ
効果低い肺炎には使えない
イナビル 吸入 1回のみ 1回のみのため
コンプライアンス良好
うまく吸入できなければ
効果低い肺炎には使えない
ラピアクタ 点滴  1回のみ 内服・吸入できない
ときでも使える
医療施設でしか
行えない

当院でも、1日1回ということを重要視してイナビルの吸入薬を処方することが多かったです。その場で吸入してもらえれば、その後の内服・吸入忘れの心配がないことから救急病院でも処方されることも多いと思われます。

ところが、今回、1階内服するだけでよいというインフルエンザ薬が発売されました。”ゾフルーザ”という薬ですが、もう今シーズンのピークは終わりというこんなタイミングで出てきました。

確かに1日1回内服のみなので確実、吸入が難しいという年配の方でも心配なく、また、今までの薬と作用機序が異なるので、タミフル耐性が心配されていたウイルスに対しても効果がありそうです。また、今までの薬は発症してから48時間以内の投与開始が原則でしたが、この”ゾフルーザ”は速やかに治療開始するべきですが、時間が経っても効果があるかもしれないとも言われています。これだけメリットがあると、当院でも、内服希望の方はこちらを処方するかな…という印象ですが、なぜいまさら、この時期に、来シーズンに発売でもいいのでは・・・?という印象はぬぐえません。

インフルエンザのピークは過ぎましたが、これだけ気温の差が激しいと風邪もまだまだ引きやすいので、まずは予防が大事です。やはり風邪予防には、

1. 手洗い

流水と石鹸で洗うことが基本ですが、その後の感想も大事です。理想はペーパータオルでふき取ることですがきれいなハンカチでも大丈夫です。アルコールを含む手指消毒液も有効です。

2. ワクチン接種

100%効果のあるワクチンはなく、また、ワクチンのないウイルスや細菌もあります。それでも、やはり少しでも感染のリスクを減らすという意味では有効ですし、呼吸器や循環器などの持病がある方は接種することをお勧めします。今年度の肺炎球菌ワクチンの予防接種も始まっていますので、対象の方は受けられることをお勧めします。

3. 咳エチケット

風邪を引いた方はマスクをしましょう。咳やくしゃみが飛び散ることが感染を広げます。マスクではウイルスは100%遮断できないので、マスクをしていても咳やくしゃみをするときは他人に顔を向けないようにしましょう。時折街中でも、N95マスクというごっついマスクをされている方もいらっしゃいますが、これは空気感染を防ぐ特殊なマスクなので日常生活では必要ありません。何より苦しいですし。

4. うがい

うがいに関してはあまり科学的な有効性を示すデータがありません。しないよりはした方がいいかなという程度です。特にうがい薬は逆効果というデータもあるため、水道水で十分だと思われます。

追加ですが、ウイルス性の感染症には抗生剤は効果がないばかりか、副作用が出ることもありお勧めしません。特に最近は耐性菌(抗生剤が効かない細菌)が問題になっていることもあり、抗生剤の乱用は慎むべきです。今回の診療報酬改正でも小児の風邪や下痢には抗生剤が不要であることを適切に説明することが勧められているくらいです。もちろん、大人でも効果がない薬を飲む必要がないと思いますし、私も不要な抗生剤は処方しないようにしています。

2018.03.05

胃がんは防げる

21歳のタレントさんの胃がんの記事をネットで見て、消化器を学んでいるものとして大変心苦しく思いました。まずはお元気になられることをお祈りいたします。

皆さんもまずはその年齢に驚いたと思います。日本は胃癌が多く“胃癌大国“と言われているのはご存知の通りです。といっても、胃がんは50-60代に多い疾患であり、やはり若い人には少ない傾向があります。ただし40代以下の人にも見られることがあります。その際は遺伝性ということもあると思いますが、やはりピロリ菌感染が関連している可能性が高いと思われます。今の20代の方のピロリ菌の感染率は約10数パーセントであり、10代以下であれば10%以下と考えられています。年代が若くなるにつれ、衛生環境がよくなり井戸水など飲まないという環境で育ったためと思われています。

では、どこからピロリ菌が来て感染したかというと家族、特にお母さんからの濃厚接触(離乳食の口移しなど)の可能性を指摘されています。なので、ピロリ菌を指摘された方でお子さんがいらっしゃる方は是非お子様のピロリ菌の有無を調べてください。20歳までに除菌できれば発がんのリスクは未感染者とほぼ同様と言われており、感染期間が短いほど発がんの可能性も低いと言われています。ピロリ菌の有無は血液でも調べることができます。ぜひご相談ください。

逆にお母さんからピロリ菌が感染した可能性も考えると、その方のお母さんの胃の検査もするべきだと思います。 当院でも、実際にピロリ菌を指摘された方に対し、その方のお子さんやお母さんの感染の可能性のお話をし、検査をおすすめしております。その検査でピロリ菌感染が分かった10代の方もいらっしゃいます。

胃がんは防げる可能性があるがんです。ピロリ菌の除菌、禁煙、過度の飲酒をしない、塩分を減らす、これらのことで胃がんは減らせます。また、ピロリ菌を除菌した方は、それで終わりにせずにその後も定期的に内視鏡検査を受けてください。除菌することで胃がんの発生率は1/3に減らせると言われていますがゼロにはならないことに注意してください。

皆さんとの協力で日本から胃癌がなくなることを信じている医師も多いと思いますし、私もその一人です。皆さんも是非検査を受けてください。バリウム検診でもいいですが、やはり何と言っても内視鏡検査です。

2018.02.26

チョコレートは身体に良い?悪い?

2月14日は、日本のチョコレートの年間消費量の2割程度が消費されるというバレンタインデーでした。近年、チョコレートが健康に良いことを裏付ける研究がいくつか発表されていますのでここに紹介してみます。

1. 毎日少量のダークチョコレート摂取で血圧が低下(2007年、アメリカ)

高血圧の方にダークチョコレート、もしくはホワイトチョコレートを毎日6.3g摂取させた結果、18週間でダークチョコレート摂取群の収縮期血圧が平均2.9mmHg、拡張期血圧も1.9mmHg下がったそうです。一方、ホワイトチョコレート摂取群では血圧に変化は見られませんでした。

2. チョコレートの消費量が多い人ほど心血管疾患リスクが低い(2017年、イギリス)

チョコレートの消費量が最も多い群は最も少ない群に比べて、心血管疾患リスクが37%低下し、脳卒中リスクが29%低下したそうです。

3. チョコレートを多く食べる男性で脳卒中リスクが17%低下(2012年、スウェーデン)

チョコレートの消費量が多い男性では脳卒中のリスクが17%低かったそうです。

ただし、最近の日本での研究結果では、女性においてはチョコレート摂取が脳卒中リスク低下に関連していたが、男性では関連が見られなかったとされています。

脳卒中既往例に限ると、チョコレートの摂取量が最も多い集団の脳卒中リスクはまったく食べない集団より19%低かったという報告もあります。

4. チョコレート摂取頻度高いほどBMI低い(2014年、イギリス)

チョコレートを頻繁に摂取する人ほどBMIが低い傾向にあることが発表されています。

5. チョコレートを多く食べる男性で糖尿病リスクが35%低下(2010年、日本)

チョコレートの摂取頻度が1週間に1回以上の男性は糖尿病発症リスクが35%低下していたが、女性では糖尿病発症リスクの有意な低下は認められなかった。

6.チョコレートで不整脈を予防(2017年、デンマーク)

心房細動はよくみられる不整脈の1つで、脳卒中になるリスクを高めるとされていますが、チョコレートが好きな人では、心房細動のリスクが低い傾向のあることが分かりました。チョコレート(約28g)の摂取頻度が月1回未満の人に比べて、月1~3回の人では心房細動リスクが10%低く、週1回の人では17%、週2~6回の人では20%低かったそうです。ただし、それ以上を摂取しても効果は増加せず、チョコレートを1日1回以上摂取する人ではリスク低下は16%でした。

まとめると、チョコレートが身体に良いとの報告が多いのですが、やはりカロリーも気になるところです。米ハーバード大学公衆衛生大学院のモストフキー氏は、「適度なチョコレート摂取が健康に有益であるとするエビデンスは蓄積されつつあるが、多くのチョコレート製品は砂糖と脂肪が多く高カロリーであり、体重増加や代謝障害を引き起こす可能性があるため、過剰な摂取は勧められない」と述べています。要はほどほど食べると身体に良いが食べ過ぎると肥満や糖尿病の原因になることもあるということです。何事も「過ぎたるはなお及ばざるが如し」ということですね。

ちなみに、片頭痛をお持ちの方ではチョコレートを避けているという方も多いかと思いますが、日本頭痛学会は明らかな因果関係があるとは言えないとしています。個人差があるので言い切れないというこのようですが、片頭痛は一度起きるととてもつらいので、チョコレートで誘発された経験のある方は避けた方が無難のようです。

2018.01.25

今年のインフルエンザ

このコラムを書いているとき、外は大雪の状況です。また気温が下がり、空気が乾燥することでインフルエンザが流行する環境になるかも、と心配しています。

今年のインフルエンザで特徴的なのは例年より早くB型が流行していることです。皆さんの周りにもA型の方もB型の方もいると思いますが、例年ならA型の流行が最初にあって、その後にB型が流行する、という形でしたが、今年はA型もB型も同時に流行しています。B型がA型と大きく異なるのは、B型がインフルエンザの割に高熱などの症状が目立たないということです。そのため、インフルエンザにかかっていることに気づかず、感染を周囲に広げてしまうということです。たとえ微熱でも悪寒や筋肉痛、頭痛、倦怠感があった場合はインフルエンザかもしれないと考えぜひ医療機関を受診してください。

現在ではインフルエンザの検査キットがかなり優秀になってきましたが、それでも精度は100%ではありません。インフルエンザの迅速診断検査の精度を検討した研究では、市販されている迅速診断検査全体の特異度は98.2%と高いが、感度は62.3%という報告もあります。これは、「陽性と判定されたら本当に陽性である可能性は高いが、陰性と判定された人々の中には本当は陽性の患者がいる可能性が低くはない」ということです。そのため、検査結果が陰性でも、周囲で流行していて発熱と咳があり見た目が重ければインフルエンザと診断し治療することになります。

というのも、インフルエンザが発症してから48時間経つとインフルエンザ薬がきくタイミングを逃してしまうからです。現在のインフルエンザ薬にはウイルスを殺したり抑えたりする効果はなく、インフルエンザが増殖するのを抑えることを目的とするものです。

この薬がどれだけ効くかというと、健康成人では症状を1日程度短縮するというものです。たった1日と考えるか、高熱の辛い期間が1日でも短くなるならありがたいと思うかは難しいところです。ただし、子供や高齢者などの体力のない方や持病をお持ちの方は話が別です。二次性の肺炎にかかったり、その他の合併症を生じ全身状態の悪化を招く可能性もありますから、重症化を防ぐという意味では大変重要です。

結論としては、高熱などの典型的な症状がなくてもインフルエンザの可能性もあるので何か変だと思ったら医療機関を受診してください。自分のためだけでなく、家族などの周りの方のためでもあります。

まだインフルエンザの流行時期は続くので、人ごみに出かける際には、マスクの着用や手洗い、うがいをお忘れなく。本当はワクチンを打つのが一番の予防ですが、今年はワクチン不足の問題がありましたし、かといって今からでは時期を逃した感が強いです。ちなみにワクチンの有効率は平均で50-60%です。

2017.12.07

日本人のピロリ菌の感染率

ピロリ菌は十二指腸潰瘍や胃潰瘍の主な原因であり、また、WHOからも胃がんの原因と言われているものです。日本ではもともとピロリ菌の感染率が高く、また、東アジアのピロリ菌は悪性度が高いため、日本では胃がんが多かったと考えられています。最近では、胃がんの死亡率が低下していますが、これは環境の改善に伴いピロリ菌の感染率が低下していることが大きな要因と言われています。

先日、愛知医科大学が分析した日本人のピロリ菌感染率が報告されました。

1998年以降に生まれた人の感染率は10%以下ということでした。以前は井戸水のような環境からの感染だったための感染が考えられているので、年代が若くなるにつれ感染率が下がっているのは当然かと思います。ただ0%でないのは母親からの口移しが感染経路となっていると考えられています。そのため、お若い方でもご自身のお母様にピロリ菌感染が見られた場合は検査をおすすめいたします。逆にご自身がピロリ菌に感染していた場合、ご自身のお母様のピロリ菌感染を調べておいた方が良いと思います。内視鏡検査に抵抗がある方は血液でピロリ菌感染を調べることもできますのでご相談ください。

ピロリ除菌の目的は、胃・十二指腸潰瘍の再発予防や胃癌発症の抑制のため、高齢者では除菌の意味がないとお考えの方もいらっしゃるかと思いますが、そんなことはありません。高齢者の方にとっては、これらに加えて薬剤による上部消化管出血の予防があります。高齢者で服用が増える腰痛やひざ痛の鎮痛薬だけでなく、心筋梗塞や脳卒中を起こした後に服用することが多い抗血小板薬、抗凝固薬(いわゆる血液をサラサラにする薬)も上部消化管出血のリスクを上昇させます。

従来、ピロリ菌が長期間感染している高齢者では、ピロリ菌除菌を行っても、それまでの長年の炎症が影響し、胃粘膜の改善は難しいと考えられてきました。しかし、高齢者でも除菌することで、粘膜の状態が改善し、出血しにくくなることが分かりました。また、高齢者への除菌療法も、除菌成功率や安全性では、若年者と大きな差は見られないと報告されています。そのため、年齢にかかわらず除菌にはメリットがあると思われます。

ピロリ菌感染が心配な方、今まで検査を受けていない方、ご家族にピロリ菌感染がいた方はぜひ検査を受けましょう。そして、ピロリ菌感染が分かった方は除菌しましょう。新しい胃薬が出たため、除菌成功率も上がっています。

2017.11.28

飲酒とガン

これから忘年会などの飲酒の機会が増えることと思います。寒くなってきたし、温かいおでんや鍋物と飲むビールは美味しいですよね。でも、そういえばこの前の健診で肝機能が引っかかって飲み過ぎないように言われている、という人も多いと思います。今までも適度の飲酒は健康にもいいと言われてきました。その主な理由としては、ストレスを和らげたり、食欲増進効果が見られる、などというものでした。ただ、当然飲みすぎれば健康を害することは皆さんご存知のとおりです。

肝臓に負担をかけることは当然として、メタボリックシンドロームに関わる高血圧・高コレステロール血症・糖尿病には、お酒の飲みすぎが関与している場合が多数見られます。とても痛い痛風発作を引き起こす原因にもなります。そして先日、米国臨床腫瘍学会(ASCO)はアルコール摂取は、中咽頭がん、喉頭がん、食道がん、肝細胞がん、乳がん、結腸がんの原因として関連、また、膵臓がんおよび胃がんを含むその他のがんのリスク因子である可能性があり、全体として、世界における新規のがん発症およびがんによる死亡の5~6%がアルコールに直接起因する、と発表しました。「控えめな飲酒量であってもがんリスクが増加する可能性があるが、最も大きなリスクが認められたのは長期の大量飲酒であった」ということです。

要はタバコほど健康に悪いということではないので、禁煙と同じレベルで厳格に禁酒を勧めるわけではないが、“がんのリスクを減らしたいならば飲酒量を減らし、そして飲酒していないならば、飲酒を開始してはならない”というものです。結局はアルコールもガンのリスクになりますよ、だから飲み過ぎないほうがいいですよ、飲酒量を控えることはガンの予防につながりますよ、ということです。以前から言われていたような・・・??

ちなみに適度な飲酒とはどれくらいか御存知でしょうか?厚労省が推進する「健康日本21」によると1日平均純アルコールにして約20g程度であるとされています。とはいえ、お酒に弱い人、女性や高齢者であれば、この基準よりも少なめを適量と考えるべきでしょう。純アルコール(g)=〔飲酒量(mL) ×アルコール濃度 ÷100× 0.8〕です。

私自身もお酒は好きなので、言い訳を探すと、デンマークで糖尿病リスクの最も低い飲酒パターンは、男性は週14ドリンク、女性は週9ドリンクで、非飲酒者に比べて40-50%の糖尿病のリスクが低下したとの報告がありました(1ドリンク=純アルコール10g)。日本人は違うかもしれませんね・・・。

要は、一日の酒量を抑え目に、そして、休肝日を作ることが長くお酒を楽しめることになるのではないかと思います。

2017.10.27

朝食は王様のように、昼食は王子のように、夕食は貧民のように食べよ

先日、朝食を抜くことが無症候性アテローム性動脈硬化症リスクの約75%増加した一方、全身性アテローム性動脈硬化症リスクについては2倍超となるという海外の報告がありました。日本でも朝食を食べない習慣の人は、食べる習慣の人よりも、男性の循環器疾患による死亡リスクと全死亡リスク、女性の全死亡リスクが有意に上昇することが報告されています。男性の循環器疾患による死亡リスクは1.42倍、全死亡リスクが1.43倍、女性の全死亡リスクは1.34倍とのことでした。

朝食を抜くことですぐに思い浮かぶのは、肥満との関係です。今までも若年者の朝食の欠食と肥満の関係はよく言われてきたことですが、実は高齢者においてもやはり肥満との関係があるようです。最近の国内の報告で、朝食欠食者は朝食摂取者より2.23倍肥満の確率が高かったことが示されました。朝食をとらない高齢者は食事の質も悪く、身体的活動も低かったとのことです。

結局は朝食をしっかり食べることが、しっかり活動すること、そして健康につながるということではないでしょうか?

また、朝食をとらない人は食物繊維の摂取量が少なかったそうです。食物繊維をとることが健康には非常に重要なことは皆さんご存知のとおりですが、なかなか思うように摂取できないことも多いかと思います。そこで朝食に全粒穀物をとるのはいかがでしょうか。たとえば、玄米や雑穀米、全粒粉のパンやシリアルなどです。全粒穀物の摂取は、心血管疾患、がん、呼吸器疾患・感染症・糖尿病・非心血管疾患や死亡リスクの低下と関連していることが報告されています。大腸がんに有効であることはよく言われており、1日3食とも全粒粉にした人の大腸がん発生の相対リスクは、おおよそ0.83倍でした。

全粒穀物や果物を含めた、食物繊維の多い健康的な朝食をとることが肥満を防ぎ、病気を防ぐことにつながります。もちろん、便秘にも有効なことは間違いありません。タイトルの格言は海外のものではありますが、いかに朝食が重要なものかをよく示していると思います。

2017.10.04

便秘対策グッズ

10/1の夕方の番組で面白いものを見ました。アイリスオーヤマが販売している「トイレスムーズ」というものです。今まで便秘の方に排便中の姿勢を指導する際に、足の下に何か台を置いて足の位置を高くすることをお勧めしてきました。とは言っても何をどのくらい置くかというところに困っていました。ところがこの商品は、その台の役割をするものなのです。これぞ今まで探し求めていたものという感じでした。その台に両足を乗せると洋式トイレに座っていながら和式トイレの際の姿勢になるので、排便が促されるちうものです。5000円くらいするようですが、便秘で困っている方には十分に元が取れるものだと思われます。テレビでは座っていると便が出そうになると言っていましたが、実際には便が直腸に降りてきていない時には排便は促されないとは思いますが。ちなみに、排便のシステムは、最初にS状結腸から直腸に便が降りてくることで便意が誘発されることから始まります。そこでトイレに行って座るわけですが、いつもは失禁を予防している、直腸の下部を筋肉が便を抑えています。腹圧をかけて、この筋肉が緩むと最終的に排便となるわけです。このときに和式トイレの姿勢をここでうまく排便できないとると骨盤の姿勢から自然とこの筋肉が緩むため排便しやすくなるということです。私はありがたいことに便秘ではありませんが、是非一度使ってみたいと思います。

2017.09.28

今年もインフルエンザの季節が近づいてきました。

「10月からインフルエンザの予防接種が始まります。

当院では10/10から予防接種を開始いたします(料金はHPを参照してください)。

インフルエンザの予防接種

9月上旬にさいたま市の小学校でインフルエンザによる学級閉鎖があったことはご存知でしょうか?欠席者14人のうち9人がA型インフルエンザでした。その後、感染は収束したようですが、気をつけるに越したことはありません。今後の気温・湿度の低下に伴いウイルス感染のリスクが高くなるのはご存知のとおりです。予防接種ももちろん大事ですが、やはり手洗い・うがいが重要なことは間違いありません。その予防接種ですが最近のデータでは接種率が低下しているそうです。最も最近のデータで41.5%の接種率で、その前シーズンから4.3%も低下しています。接種しても、どうせかかるからという理由で接種しない方もいらっしゃると思いますが、少しでも感染リスクを下げることは重要です。インフルエンザにかかりやすい方は2回接種という方法もあるのでぜひご相談ください。

2017.09.21

「糖尿病」と「がん」

現在、特定健診が行われていますが、皆さんは受けられましたか?また人間ドックなどを受けられた方もいらっしゃると思いますが、結果は確認されていますか?糖尿病のところに「要受診」「要治療」の指摘はされていないでしょうか?今では国民の男性の約4人に1人、女性の約5人に1人が糖尿病もしくはその予備軍と言われていますが、糖尿病は失明や腎不全の原因となり、また、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めることはご存知かと思いますが、近年では、糖尿病とがんの関連性が問題になっています。糖尿病により、がんになる総リスクは20-30%増加し、2型糖尿病患者では、罹病期間が長いほどがんの発症率が高くなり、罹病15年以上の患者は、15年未満の患者に対して、男性で1.6倍、女性で1.8倍になるとの報告もあります。下の図には最近報告された、2型糖尿病の人ががんで上昇する死亡リスクをグラフにしたものです。糖尿病でない人と比べて、糖尿病の人が胃がんで死亡する確率は1.84倍、大腸がんなら1.41倍といったものです。



糖尿病ががんのリスクを増加させる原因としては、肥満の合併、血糖を処理するホルモンであるインスリンが効きにくくなることにより引き起こされる高インスリン血症やIGF-1というホルモンの上昇、慢性炎症(炎症性サイトカインの増加)あるいは、高血糖自体の関与の可能性が指摘されています。実際、肥満や運動不足、食習慣(高カロリー、高脂肪、低繊維)、アルコール多飲、社会経済活動などは、糖尿病とがんに共通するリスクファクターであり、糖尿病を予防するための行動が死亡率やがん発症率を低下させることがわかっています。

健診で異常を指摘された方の約4割の方が受診されないとのデータがあります。お手元の健診結果をもう一度見直していただき、血糖、HbA1cの異常を指摘されている方は、糖尿病の治療を受けることはもちろん、がんの予防・早期発見のために、定期的にがん検診を受けることもご検討ください。

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